放課後の渡り廊下

教育に関してあれこれ迷い悩みながら書いています。

年度当初のよかったことと課題

4月に入って立場も変わり、新しい職員室は風通しが良い。所属校3-4年目からは年間の流れもわかってきて、安定して業務がことと進められるのが良い。 問題は、初の教務分掌で、何をやっても予測がつかずうまくいかない。なんとか締切に間に合うのがやっとで、…

本を読みたい

年度はじめはやる気に満ちていて,それでいて今年は日程が悪く,初日後すぐに週末なので来週は一気に仕事に追われる1週間となる。悠長なことを言っていられるのも今のうち…ということで,昨年度に読めなかった本を5冊ピックアップしておこうと思う。 パトリ…

今年も春を迎えられた

1ー2月にイベントが続き,メンタルダウンから抜き出せぬまま3月は地を這うようにして最終日を迎えた。 甲状腺機能亢進症とわかってから半年,体調は医学的には回復傾向にあり,薬の量も減った。良い兆しが見えるのは素直に嬉しい。実感的には,不安定な日…

出せない手紙

花束を持っている人を見かけると おめでとうございますと言いたくなる 涙を流しているひとを見かけると きっと次は大丈夫ですと言いたくなる でもどうして泣いているのかわからないのに わたしに何が言えるのだろうか 伝えたいことばはあるし ことばを綴るペ…

発言する機会を奪っていないか?

生徒は,授業中の発言に関して,空気を読んでいる。 小学生の頃,私は自分から発言することを躊躇っていた。 なぜかと言えば,私が発言することで,他の誰からの発言の機会を奪ってしまうからだ。 まして,挙手をしても最初に指名されることはない。 その経…

自責の念

卒業式が終わりました。立派な卒業式でした。 サプライズの動画も成功し,子どもたちの心に残ったようです。 最後の学活は,Mステの入場曲でスタート。笑 学級通信を読んで,嵐「ふるさと」の歌詞を贈りました。 生徒が帰ってからは,私にはまだまだやれるこ…

振り返り機能のある単元を持っているかー1・2月の振り返り

三年間の学び発表会 三年生の冬休み明けは受験シーズンとも重なり,充分な単元は実施が難しい。今年は,さらにコロナ不安で欠席の生徒も多く,少人数での授業が多くなった。 そんな中で,自由進度学習はうまく機能しやすいと気づく。「三年間の学び発表会」…

調子に乗って、12月に入っての雑感

1. 三者懇談が始まり、久しぶりに保護者の方とお話ができた。和歌の自由進度学習に挑戦し、参観日で発表会をした。そのフィードバックをいただく。ありがたい。嬉しい。 2.学習が楽しい、おもしろい、やってみたい。それだけで、人は学びに向かえる。「学力…

誰かの孤独に寄り添えるか!?それでも孤独な仕事はあるけど

藤倉先生と久しぶりにお話しました。 https://mobile.twitter.com/fm_grape?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor 部活動に力を入れてきた藤倉さんと、部活動を苦手とする私は、互いに見てきたものが違います。今回も改めて違いを感じる…

2021年8・9月の授業記録〜言葉を楽しく学びたい

8月夏休み明けは,言葉の学習からスタート。 ■わざわざことわざ 青国研で教えてもらった五味太郎さんの絵本を教材に授業をする。 わざわざことわざ 作者:五味 太郎 絵本館 Amazon もともとあることわざをオマージュして新しいことわざを作る学習活動だ。 子…

これまでの授業記録

今年度は持ち上がりの中学3年生4クラスを担当しています。 ここまでの4ヶ月弱の授業を箇条書きします。 4月 表現技法と詩の良さを語る:長田弘「世界はうつくしいと」 人物像から人の生き方を考える:井上ひさし「握手」 5月 漢文から好きな言葉を探す:「…

学習活動を積み重ねること

「カリキュラムマネジメント」という言葉がありますが,私が一番大切にしたいと思うことは, ・学習履歴を有効に積み重ねているか, ・生徒自身が成長を実感できているか,です。 今でもまだ,1単位時間の授業を構想することで精一杯の時がありますが,学習…

2月にあったこと

ビブリオバトル 勤務校では委員会主催によるビブリオバトルがあり,今年度は総合の時間が余っていたので,時間をもらって(無理矢理?)授業をした。 学年全クラスで2時間,選書・リハーサルの授業を行う。 プレゼンの経験もできたし,選書から見える相互理…

日本の「学力」とは何だったのか

2009年に中学校の教員となった。 大学の国語科教育学の授業では,もれなくPISAショックの話題が上がる。 私の国語科教育の学習はPISAショックで揺れる学力論から始まっている。 教授の考え方の影響もあって,道徳的に読むことへの批判,「論理的」「科学…

縄文文化学習のための読書記録

矢島新(2019)「ゆるカワ日本美術史−ヴィジュアル版」 ゆるカワ日本美術史<ヴィジュアル版> (祥伝社新書) 作者:矢島 新 発売日: 2019/02/01 メディア: 新書 日本美術史を「ゆるカワ」という観点で概説した新書。どこまでを「ゆるさ」「かわいさ」として括る…

「僕たちの学び方改革ってないのかな?」ー1月の振り返り

生徒が見える授業 1月は「モアイは語る」の授業がメインでした。 keynote.hatenablog.jpkeynote.hatenablog.jp keynote.hatenablog.jp もっとじっくり内容理解をした方がいいのかなあという葛藤もありながら,何時間もかけて本文を読み続けることで本文の面…

説明的文章の内容を理解するためのちょっと変わった方法

1月の授業で,光村図書中学2年,安田喜憲著「モアイは語るー地球の未来ー」を読みました。 「ダウト!」 本文読解の授業の1時間目は,黙読→リレー音読をした後,2周目のリレー音読で「ダウト」をしました。 「ダウト」は,本文とは違う言葉に変えて読み,違…

助詞の違いで話し合う2

モアイは語る と モアイが語る ではどのような違いがあるのだろうか? それぞれに自分の考えを書いて、立ち歩いて交流する。一番納得する解を選んで全体交流の流れだ。 しかし、最初のクラスはメモをする準備を忘れて不完全燃焼。また、誰の解答に関心が向く…

助詞の違いで話し合う

冬休み明けの2年生の授業は論説文「モアイは語る−地球の未来−」を教材にした授業で始まる。筆者は安田喜憲さん。 文明は緑を食べる (読売科学選書) 作者:喜憲, 安田 メディア: 単行本 今回は,付属語の学習も兼ねて,題名の”は”に着目した授業を行なった。現…

学習は修行ですか?

「あっちこっち」アンケート 学校が再開した。 初日の授業は,大晦日をどう過ごしたか(最近は紅白を見たか見ていないかの調査が定番)で「あっちこっち」アンケートをとりながら,互いの近況報告をするような緩やかな1時間目を心掛けている。 「あっちこっ…

須田実編(2005)「読む力・考える力を育てるノート指導」

引き続き,国語科ノート指導に関する書籍を読み続けている。 ここにきて,2000年代のノート指導本に入ってきた。 読む力・考える力を育てるノート指導 小学1・2年 作者:須田 実 メディア: 単行本 この一連の調査の目的は,ノート指導の歴史的文脈を探すこと…

新潟県立歴史博物館編「あ,コレ知ってる! はにわ どぐう かえんどきの昭和平成」

縄文ブーム再来中なので,縄文時代に関する書籍を読み漁っている。 その中で,面白くて一気読みした1冊を紹介したい。 あっ、コレ知ってる!はにわ どぐう かえんどきの昭和平成 作者:新潟県立歴史博物館 発売日: 2019/08/04 メディア: 単行本(ソフトカバ…

授業への思い入れ

縄文文化交流センターに初めて行った。 私が生まれ育った町は,縄文遺跡群が多く出土する地域だった。小学生のときから縄文土器を作ったり,竪穴式住居に実際に入って縄文人の生活を想像したりする学習をよく体験した。 町を離れて生活するようになってから…

岩浅農也・横須賀薫編(1984)『ノート指導と板書』

学習記録のあり方は,授業者の問題意識や信念によって決まる 引き続き,これまでの国語科ノート指導の歴史を追うために,次の本を読んでいる。 子どもが見える授業技術入門 (4) メディア: 単行本 この本は「ノート指導と板書」をテーマとして,「子どもが見…

学習のあり方そのものが問われている。

学習記録研究の中で,国語科のノート指導に関する読書を続けている。 現在読んでいるのは,白井勇著『思考力を伸ばす国語科ノート指導』。 思考力を伸ばす国語科ノート指導 (1970年) 作者:白井 勇 メディア: - 「愛着の持てるノート」というのがキーワード…

学習指導要領の系統的な文言の違いについて説明できるか?

次年度の新学習指導要領実施に向けて,改めて指導要領を読み直している。 中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 国語編〈平成29年7月〉 発売日: 2018/03/01 メディア: 大型本 きっかけは,校内研修で3観点の評価をどのように行っていくか,という議論の中で…

コロナ危機の中での対話と挑戦ー11月の振り返り

迫り来るコロナ危機の中で 北海道の新型コロナ感染者が急増する中で,現実的な対応に追われる11月だった。 実際に近隣の小中高等学校で陽性者が発覚して学級・学年閉鎖が起こり,家族が陽性者の場合どうするか,学年閉鎖・学級閉鎖の判断をどの段階でどのよ…

【メモ】石田佐久馬(1964)「発問・板書・ノート」

新型コロナの第3波の対応に追われ,先週から二者懇談,来週は三者懇談と続き,学校現場は常に疑問と不安と決断に迫られている。 1・2年生は希望制で今回は見合わせるという家庭も多いだろうが,3年生は受験を控え気が気じゃない。コロナの心配もありつつ,進…

長田和雄(1955)『国語ノートの指導』

週末,ノート指導の歴史を知りたくて,1950年代のノート指導の本を探して読んだ。 ノート指導本としての特徴は何か? 今回手にした長田和雄(ながたかずお)の『国語ノートの指導』は,興味深いことに,大村はま同様,「とじ込み式ノート」の実践について書…

「書くことの多角化」 —言語活動をどれだけ具体化できるか?

引き続き「第三の書く」を読んでいる。 復刻版 第三の書く 作者:幹勇, 青木 発売日: 2020/10/15 メディア: 単行本 とにかく「視写」のイメージが強いこの本なのだが,改めて読むと,「書くこと」の全体像も示されていることに学びが多い。視写の意味や実際の…