今週は
- 過去の授業実践分析を読む
- これから自分がやってみたい指導案を考える
- 大学入試問題の試案にチャレンジする
といった大学院の課題を中心に生活していました。そのためあまり読書はできませんできた。でも朝読書の時間でもある「15分」だけでも読もうと次の本を読みました。
イギリス教育の未来を拓く小学校 「限界なき学びの創造」プロジェクト
- 作者: マンディスワン,アリソンピーコック,スーザンハート,メリージェーンドラモンド,藤森裕治,新井浅浩,藤森千尋
- 出版社/メーカー: 大修館書店
- 発売日: 2015/07/01
- メディア: 単行本
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興味を持ったのは、やはり「第3章 学びの自由を広げる~子どもたちに自分の学びを評価させる」です。
読む前の実感として、「自分の学びを評価する」って一筋縄ではいかないぞ、という思いがありました。メタ認知能力の差が顕著に表れるし、そもそも評価の語彙を持っていないということもあります。
そんな中で読んでみてわかったことは以下の5点です。
- ブラック/ウィリアム『ブラックボックスの中(Inside the Black Box)』(1998)が自己評価による子どもたちの学びの強化において重大であることを主張していること。「ブラックボックス」というキーワードは何度か耳にしたことがあったのですが、感覚的にですが、このあたりも検討すべき領域なのかなと思いました。
- ノートは記録だけではなく、進捗状況や到達度理解に用いられること。8年間の中でノートに対する認識は大きく変わったなと思っています。初任時は、「視写」→「板書」→「メモ」程度。学習記録を知ってからは、「学習内容」→「板書(たまに視写)」→「メモ」→「自己評価」または「ふり返り(進捗状況や充実度)」。
- さらに、自己肯定感を高めるツールとなっていること。教師の価値観の提示にも左右されます。過度に自己評価の低い子どもには先生が「本当にそうだろうか」と促す場面も必要かと思います。評価の中で「うまくいかなかったな」という場面でも、そこで落ち込むだけではなく「どうしたらよかったのだろうか」と思考を促す場面が次のチャレンジにつながります。
- 共有された学習言語により教師と子どもがパートナーシップを持って授業が展開していくこと。「ここがよくわからない」こういう振り返りは次の授業を創造していきます。子どもたちの評価が授業を作る鍵となること、授業は教師と子どもで作るということを改めて感じます。その際に必要なのは、やはり学習言語なのか……。
- 集団での相対化の深さが自己評価の質に影響を与えること。大村はま実践を読んでいてもわかるのですが、全員の作文を一覧化して通読してみると、どの作文が良いか、子どもたちは大体見る目を持って読みます。言語感覚というのでしょうか。全員がわからなくても、どの作文がどのように良いのか誰かが語ればいいわけです。すると「なるほどな」と共有されていきます。その「なるほどな」という学びが深い実感を伴っているほど、自己評価の言語化は進むのだろうなと思います。経験知ですけれど、私はそう思います。……うーん。この辺は、まだうまく説明できてないですね。
結局、最後に自分の学びとして自分の中に残すかどうかは自分が決めるのであって、教師がどんなに叡智を尽くしても、未来に拓く学びは子どもたち自身の中にあるのだと思います。
今日はここまで。つまみ食いでした。