放課後の渡り廊下

教育に関してあれこれ迷い悩みながら書いています。

焦燥の6月。

この1か月の調査研究の対象は、2015年度2年生『走れメロス』と2016年度3年生『故郷』の学習記録だった。

走れメロス』は描写を分析して発表する授業、『故郷』は読みの観点を定めて作品の魅力を発表する授業である。どちらも参考とする先行実践をもとに授業を展開した。

2つの授業の共通する特徴は、一人一人が文章中で着目する部分が異なる点である。それぞれの発表を通して読みを共有し合いながら、1つの考えを形成していく。パッチワークのようにそれぞれ違う布を持ち寄り、似た柄や似た色を見つけながら、それでもやはり一人一人違うなと感じながら発表を聴き合う。個人思考した後で他者の考えに触れることは、学習者の内省を促す。

実際に記述を抜き出してみると、思ったよりも予想した記述は少ないなと感じるが、まぁこんなもんかな、とも思う。自分自身のことでもあるが、表現の粗さ、つまりディテールまで書くことが課題だと思う。やっぱり私の今の課題意識は「書く」なのかな。

とはいえ、記述のための授業ではないことは忘れてはいけないと思う。「いい記述=いい授業」とは限らず、あくまでもこの調査が授業の表出の一端にすぎないことを注意しながら過ごしていた。

こういう地道な作業を時間をかけてやっている自分を思うと、すごく不安になって「この調査の目的は?」とそもそも論に戻る展開が常である。目的に立ち返り修正することも大事なのだが、あれこれと迷っているうちに時間も過ぎていってしまう。

何か作業をしていないと不安になる6月だった。

ああ、でも、これからもっと焦りを感じる時期になるのか…笑。