放課後の渡り廊下

教育に関してあれこれ迷い悩みながら書いています。

学校・授業

複数テキストを用いた国語科授業の勉強

大学院の演習で,共通テスト問題を読んで,自分で作成してみる課題に取り組んだことがあった。いろいろ授業観について考えさせられた記憶がある。 keynote.hatenablog.jp 学力調査の変遷を見ていくと,複数の文章を読んで考える問題が当たり前になっている。…

ただ書くー11月の振り返り

作文、ではない、ただ書く実践をしたい。タブレットじゃなくて、手書きで書くことをしたい。その二点から始まった11月でした。 ここまで6-7回目の授業が終わりました。 縦書き原稿用紙を横書きで書いたり、ダダイズム的に文字のアートが始まったりして面白い…

9・10月の学校のふりかえりー作文発表会から文化祭,軽井沢訪問まで

10月に入って,イベントが目白押しで,感情の起伏が大きい2週間程度を過ごす。 ただ,楽しみなことの移動中は,色々なことを思い出したり思考したりすることができる。もうちょっと自分の過去の記録を読み直してもいいかもしれないなあと思う。それから,一…

生活を言葉にして共有することの価値

文化祭を前後して,生活体験文の授業に入りました。生活体験文とは,おそらく綴り方教育の流れの上にある実践なのだと思いますが,私が勤務する地域では多くの中学校で夏休みの課題として取り組まれているものです。特別にミニレッスンをすることなく,宿題…

4・5月の仕事ー良くも悪くも変化の多い季節

分掌業務が重い 悪く考えれば,なれない業務に時間を費やす時期。 良く言えば,新しい仕事を吸収することができるチャンス。 これまでの自分がいかに居心地の良い環境で仕事をしてきたのかを実感する年度当初でした。初めての仕事がまだまだ自分には多くある…

学習活動を積み重ねること

「カリキュラムマネジメント」という言葉がありますが,私が一番大切にしたいと思うことは, ・学習履歴を有効に積み重ねているか, ・生徒自身が成長を実感できているか,です。 今でもまだ,1単位時間の授業を構想することで精一杯の時がありますが,学習…

2月にあったこと

ビブリオバトル 勤務校では委員会主催によるビブリオバトルがあり,今年度は総合の時間が余っていたので,時間をもらって(無理矢理?)授業をした。 学年全クラスで2時間,選書・リハーサルの授業を行う。 プレゼンの経験もできたし,選書から見える相互理…

「僕たちの学び方改革ってないのかな?」ー1月の振り返り

生徒が見える授業 1月は「モアイは語る」の授業がメインでした。 keynote.hatenablog.jpkeynote.hatenablog.jp keynote.hatenablog.jp もっとじっくり内容理解をした方がいいのかなあという葛藤もありながら,何時間もかけて本文を読み続けることで本文の面…

説明的文章の内容を理解するためのちょっと変わった方法

1月の授業で,光村図書中学2年,安田喜憲著「モアイは語るー地球の未来ー」を読みました。 「ダウト!」 本文読解の授業の1時間目は,黙読→リレー音読をした後,2周目のリレー音読で「ダウト」をしました。 「ダウト」は,本文とは違う言葉に変えて読み,違…

助詞の違いで話し合う2

モアイは語る と モアイが語る ではどのような違いがあるのだろうか? それぞれに自分の考えを書いて、立ち歩いて交流する。一番納得する解を選んで全体交流の流れだ。 しかし、最初のクラスはメモをする準備を忘れて不完全燃焼。また、誰の解答に関心が向く…

助詞の違いで話し合う

冬休み明けの2年生の授業は論説文「モアイは語る−地球の未来−」を教材にした授業で始まる。筆者は安田喜憲さん。 文明は緑を食べる (読売科学選書) 作者:喜憲, 安田 メディア: 単行本 今回は,付属語の学習も兼ねて,題名の”は”に着目した授業を行なった。現…

学習は修行ですか?

「あっちこっち」アンケート 学校が再開した。 初日の授業は,大晦日をどう過ごしたか(最近は紅白を見たか見ていないかの調査が定番)で「あっちこっち」アンケートをとりながら,互いの近況報告をするような緩やかな1時間目を心掛けている。 「あっちこっ…

授業への思い入れ

縄文文化交流センターに初めて行った。 私が生まれ育った町は,縄文遺跡群が多く出土する地域だった。小学生のときから縄文土器を作ったり,竪穴式住居に実際に入って縄文人の生活を想像したりする学習をよく体験した。 町を離れて生活するようになってから…

学習指導要領の系統的な文言の違いについて説明できるか?

次年度の新学習指導要領実施に向けて,改めて指導要領を読み直している。 中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 国語編〈平成29年7月〉 発売日: 2018/03/01 メディア: 大型本 きっかけは,校内研修で3観点の評価をどのように行っていくか,という議論の中で…

コロナ危機の中での対話と挑戦ー11月の振り返り

迫り来るコロナ危機の中で 北海道の新型コロナ感染者が急増する中で,現実的な対応に追われる11月だった。 実際に近隣の小中高等学校で陽性者が発覚して学級・学年閉鎖が起こり,家族が陽性者の場合どうするか,学年閉鎖・学級閉鎖の判断をどの段階でどのよ…

他者に対する想像力やリスペクトを育む伝記の授業

最近少しずつ読み進めている。 今朝は最後の”伝記教材における「第三の書く」”が気になって読む。 復刻版 第三の書く 作者:幹勇, 青木 発売日: 2020/10/15 メディア: 単行本 教材文には,個人の生涯を集約し,伝記の形にしたものがあります。これをどう学習…

「コロナ禍」という言葉が日常を形作る中で—10月の振り返り

本来であれば,文化祭から始まる,10月。 今年は春に行われる予定だった運動会と宿泊学習が10月になり, 学年としての初めて行事が一挙に訪れる1ヶ月だった。 とはいえ,自粛ムード抜け切れぬ学校現場である。 生徒の作文にも定着するくらい「コロナ禍」とい…

学習記録を介した対話と「博士ノート」の実践  —9月の振り返り

授業記録9行に耐えうる授業とは もうすぐ前期の授業が終わる。 前期期末テストが終わり,前期分の授業プリントや授業記録ノートをまとめて冊子型の学習記録を作成した。あとがきには,前期の授業で印象に残っていること,学んだことを書いてもらった。どの記…

動き出す学校 ―6月の振り返り

■登場人物の読み取りー椎名誠「アイスプラネット」 奇をてらわずに,オーソドックスな描写の読みとりをする。 「僕」「母」「父」が「ぐうちゃん」をどのように見ているか, を課題として,全文から一つの描写(会話文,行動描写,心情描写)を担当する。 4…

国語チャレンジ100をつくる ー5月の振り返り

臨時休校中の課題を出すことになり、いくつかの学校ホームページを閲覧しておもしろそうな課題がないか探してみた。 その中で、最もやってみたい気持ちになったのは、風越学園のチャレンジ100だった。 https://kazakoshi.ed.jp/kazenote/dandan/5649/ まずは…

「烏」から考える

「枕草子」第一段で「烏」が出てくる。 枕草子 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス) 発売日: 2001/07/25 メディア: 文庫 私は古典における風物がどのように取り扱われているのかがとても気になる。 万葉集にお…

小さな失敗の積み重ねで

年度末に学習記録の冊子をつくるため,年度の始めにプリントを保管するためのクリアファイルを生徒全員に配っている。 授業で扱ったプリントをすべて保存しておくためにしているのだが,現実問題,必ずと言っていいほど,プリントをファイルごとなくしてしま…

実現不可能でもいいから、やってみたい野望メモ

①合唱コンクール、たくさんの失敗経験を活かして、子供たちが成長して、満足する合唱を創りたい。そのためにできる支援の方法を勉強したい。できたら外部講師の先生に見てもらってフィードバックをもらいたい。 ②面談屋としてのキャラを確立する。面談がいや…

価値の共有と評価方法

「主体的に学ぶ力」の評価のあり方について,10年研でも質問があり,勤務校でも先生たちと話題になる。 教育科学 国語教育 2020年 01月号 (徹底研究!小・中学校国語 3観点の学習評価のポイント) 発売日: 2019/12/12 メディア: 雑誌 現場では「どうやって」…

エンドロールの途中で砂嵐になる。—2月の振り返り

逃げる2月なんて言っている暇もなく,2月は消え去った。 個人的には人生初のインフルエンザを経験し,中旬以降体調的にずうっと不安定だった。 外出することもできず,世の中も落ち着かない日々。 家にこもることも多く,過剰に不安要素を数え上げるような日…

授業づくりに関して手にした本(2020年1月)

これまでに自分も体験しておもしろいと思った授業を、愚直に追試しようと決める。 その一つが看図作文。 看図作文指導要領―「みる」ことを「書く」ことにつなげるレッスン 作者:鹿内 信善 出版社/メーカー: 溪水社 発売日: 2010/06 メディア: 単行本 鹿内先…

エンドロールみたいな授業―1月の振り返り

冬休み明け,北海道の1月は短い。 あまり雪もなく,雪道の苦手な私にとっては比較的過ごしやすい冬である。 学校ではインフルエンザの流行が話題となっているが,なんとなく自分には関係のないような気がして過ごす。 今週に入って最近お決まりとなっている…

目次づくりと役割演技音読

学習記録目次づくりの予告 学年末テストが終わり,残すところ10数時間の授業時数を残して,学習記録づくりの終末にとりかかる。 最後の作業は,これまでの学習記録を束ね,目次をつくる。 今年度は学期末に目次づくりをせず,資料を束ねるだけの作業で終わ…

最後の発表会とビブリオバトルー12月の授業

単元 状況を生きるー『故郷』の作文発表会 ヤンおばさんの生き方,私とルントウの生き方について2時間パネルディスカッションをし,その話し合いから印象に残った発言と理由,そしてこれからの社会をどう生きていきたいかを綴った文集を読む。一人一人と作文…

「もともと故郷はこんなふうなのだ」―11月の振り返りと12月の単元

聞き出さないとわからない 11月は,自分が担当する総合的な学習の時間の山場を迎える月だった。 自分の無責任な立ち回りのせいで,学習者におもしろくない時間を過ごさせる経験をした。申し訳ないが,今年度の大きい学びだった。 教科の授業のように,自分が…