放課後の渡り廊下

教育に関してあれこれ迷い悩みながら書いています。

振り返りの記述を読む観点

今週は文献収集+まとめ作業の1週間だった。

振り返りの記述内容を分析し、その結果からどんなことが言えるか、その枠組みにはどのようなものがあるか、という問いで文献収集をした。

結果としては、国語科の研究よりも、日本語教育や英語教育、数学教育の分野での論文が見られた。

特に自分の研究に影響がありそうだなぁと思ったのは、数学教育で記述表現の分析を行っている以下の研究だ。

数学教育における内省的記述表現活動に関する研究

数学教育における内省的記述表現活動に関する研究

 

記述内容だけではない、記述のレベルを見ているか

この研究の中では、児童が書いた学習記録は「ジャーナル」と呼ばれ、その記述の様相を「単なる感想」「具体的な記述」「重要な事柄」「自分の言葉」などといった枠組みを用いて分析している。さらに、記述のレベルや精緻さの観点からも分析を行っている。

確かに、学習記録を分析していて、「何が書かれているか」の視点の他に、「具体/抽象」「個人/一般」といった違いも見えてくるのだ。

 

学びの過程における感情を見ているか

さらに、認知心理学の観点から見れば、感情と認知の観点から記録を見るのもおもしろい。この辺は不勉強なので、あまり具体的なことは言えないのだが、学びの過程ではさまざまな情動があることもわかる。

記述内容で言えば「おもしろい」「楽しかった」は単なる感想に過ぎないのだが、「おもしろい」と強く感じている授業ほど、学期末のあとがきで印象に残った授業として書かれやすかったり、「またやりたい」と学習者の自発的な学習活動につながったりすることがある。

自分自身を振り返っても、「おもしろい」と感じることが継続を生むのであり、「つらい」「くるしい」と思ってばかりいる活動は続かないよなぁ・・・と思う。

 

やっと、自分が学習記録実践をしていた時にもやもやとしていた「記録をどう読むか」という問いに近づいてきたような気がする。まずは、学習者の記録から帰納的に何が書かれているのかを把握し、その上で、自分の授業の中ではどんな観点の記述が表れるのか、様々な枠組みと照らし合わせて客観的に見つめる方法を模索したい。