放課後の渡り廊下

教育に関してあれこれ迷い悩みながら書いています。

詩と出会う体験

 振り返りとは,自分の行為を問いを持って考えることなんだなと思う。

学習者を見ているとただ「単元をふりかえろう」と言っても表層的な実感しか言語化されないのだけれど,一つ問いを投げかけるだけでまったく違った質の振り返りが展開される。

詩ってなんだろう (ちくま文庫)

詩ってなんだろう (ちくま文庫)

 

今回の単元の中では,結局「自分たちにとって詩ってなんだろう」という問いが,振り返りの視点で重要な問いだった。授業の中でさまざまに詩と出会ってきてはいるけれど,どこか答えを探す読みになっている自分に気づく。 だけど,一度書き手になる体験をした学習者,自由に読み味わう体験をした学習者は,次第に生きていく中で詩と触れ合うことのおもしろさを再考しはじめる。

もちろん,授業運営自体には事前に検討すべきことがたくさんある。特に年度当初の限られた時間の中では配慮すべきことがたくさんあった。学習者の活動時間を保証することと,年間の指導計画内で運営をすることの難しさはいつまでたっても課題である。

そんな中で,私にとって一番のインパクトだったのは,学習者自らが詩を探して紹介し始めた瞬間だった。やはり,教科書掲載の1編の詩では,詩と出会うには足りないのではないか。改めて考えさせられる経験だった。