放課後の渡り廊下

教育に関してあれこれ迷い悩みながら書いています。

『なってみる学び―演劇的手法で変わる授業と学校』刊行記念ウェビナーVol.2 感想

11月15日,日曜日の午後にウェビナーで以下の著書に関するお話を聞きました。

 

『なってみる学び―演劇的手法で変わる授業と学校』刊行記念ウェビナーVol.2 演劇人と語り尽くす! 授業と学校を変える演劇の力とは!

なってみる学び ―演劇的手法で変わる授業と学校

なってみる学び ―演劇的手法で変わる授業と学校

 

 

 

演劇コミュニケーション学

演劇コミュニケーション学

 

 

『なってみる学び』の著者の一人である藤原由香里さんとは,2015年の即興型学習会の合宿で共に学んだ思い出があります。大学院のこととか,藤原さんが考えていることなどを聞かせてもらった日をよく覚えていて,私が大学院へ進学することのきっかけの一つにもなっています。

インプロファシリテーターのすぅさんを北海道に呼んで学習会を開いた時には,私がまだ新篠津村に住んでいて,農村地帯の我が家に由香里さんを泊め,朝が苦手そうなのに豪勢な朝食を振る舞ってしまう,みたいな思い出があります(苦笑)。全然本には関係ないのだけれど,私にとっては少し先をゆくお姉さんとして,憧れのような存在の方が書いた本という認識で,丁寧に読ませてもらっています。

正直,今は日常の仕事の問題が山積みで,インプロやドラマ,演劇的手法に対して向き合う時間があまり取れていません。しかし,即興型学習会や獲得型研究会で体験したこと,すぅさんとの小学校でのインプロ授業の体験など,さまざまな「なってみる学び」は,主に子どもたちとの国語の授業や道徳の授業の中で,随所に散りばめられるようになっていると,自分では思っています。

 

現場の日常の中で,子どもたちに有益な学びを作っていくために何ができる?

昨日,外部の異質な人材が教室に入ってくることを示す「異邦人効果」について話題になった時,ゲストである蓮行さんが「隣の先生がたまに授業にやってくるだけでも異邦人効果は発揮される」とおっしゃっていました。

※蓮行さんにおかれましても,2015年11月に北海道で堀裕嗣先生と対談をする会にお越しいただいていて,今回のウェビナーは本当に懐かしい方々のお話を伺う機会になりました。

 

ゲストティーチャーを学校に呼ぶ問題は,私にとってとても高いハードルがあります。ちなみに,インプロに関しては,一度提案を試みて失敗した経験があります。冒頭で管理職や職員室の教員集団との合意をどのように図るかという話題にもなりましたが,20代だった私には先生方との信頼関係においても,コーディネーターとしても,力不足な点が多々ありました。

由香里さんがおっしゃっていましたけれど,担任を持ちながらのコーディネーターの仕事はなかなか大変な労力だと思いますし,調整的な役割よりも個人的な想いが強まってしまい,全体を見渡した提案ができなくなる印象があります。

そして,北海道という土地柄,道外の講師を呼ぶことは費用の面などでもクリアしなければならない問題があります。できれば,持続可能な形で,一回だけにならず継続して学ぶ場を築き上げていきたいと願うと,ハードルはどんどん見上げるような高さになっていきます。

現場の教師だけではできない学びの価値があることはわかっていても,それが職員室の教員間で共有できるかという問題もあります。私が「いい!」と思っていても,隣の先生にとっては「インプロって何?」「○○さんって誰?」ってところから始まるわけで,まずは私自身が話を聞いてもらえる存在になるところから始めなければなりません。

そして,いきなり上級な山を登ることには抵抗があるわけで,その辺の丘をハイキングする程度から始め,楽しさや価値を感じられることも重要です。

だから,冒頭から,蓮行さんがおっしゃってい多ことは自分に刺さるものがありました。

たくさんの抵抗を感じる中でどうしていったらいいのか?

今はコロナの状況もあって,外部から人を呼ぶことはさらに難しくなっている現状です。

まずは,学校の今あるリソースの中でできることは何か,という視点で考えることからだなあ,と思っています。