大村はま全集を読み直す
今年度は夏までに7つの単元を作ろうと心に決めて、単元づくりに力を入れている。4月は授業びらきの「名前教えて」と詩創作単元の「詩で言葉を捉える」の2つ。ここから体育祭があってとっても厳しい時期を迎えるのだけれど、読むこと単元2つと、書くこと単元2つ、読書単元1つを計画している。なんとか夏休みまでにやり遂げたい。
特に、今年は「学習の手引き」について考えている。先日、青年国語研究会の総会があって、夏の日本国語教育学会のワークショップについて話題があった。今年度は「学習の手引き」をテーマにするということで、私自身も、もう一度「学習の手引き」づくりについて学び直そうと思うようになった。
実は、授業づくりネットワークの「個別最適な学びと協働的な学び」に関する原稿を書く中でも「学習の手引き」について気付きがあった。学習が深化する仕掛けとして、「学習の手引き」による種まきが機能しているのではないか、ということだ。大村の「学習の手引き」には、学習活動において考えるための観点が示されていたり、話し合いを深めるための語彙が散りばめられている。多くの生徒は「学習の手引き」を読む中で、自分なりに学ぶべきことを焦点化して学習に取り組んで行ったのではないと考えられる。
それで、この連休は原点である大村はま全集を久しぶりに読み始めたのだけれど、第1巻「国語単元学習の生成と深化」を箱から出したら、ギョッとしてしまった。付箋がいっぱいだ。
すっかり忘れてしまったのだけれど、大学院進学前の2017年冬に、私は全集を熱心に読んでいたらしい。自分の記録を読み直すと、一つ一つの単元を分析して、一部は追試もしているようだった。過去の自分の勤勉さに惚れ惚れする(笑)。
それにしても、改めて大村単元学習について読みながら感動するのは、「情報と情報の関係について」言及する単元があることだ。この辺りは現行学習指導要領の「情報」に関する内容とも関わっていて、1980年代にここまで言語化できるってことに驚きを隠せない。改めて、自分たちが実践していることなど、多くの先人がすでに潜り抜けてきた問題のほんの一部に過ぎないのだなと思う。
とにかく、個別最適な学びをより充実したものになるための仕掛けとして「学習の手引き」が重要なのではないか、というのが今の私の答えだ。では、どのような手引きを私は作ることができるのだろうか。2024夏までの私の探究課題である。