放課後の渡り廊下

教育に関してあれこれ迷い悩みながら書いています。

2019-01-01から1年間の記事一覧

「もともと故郷はこんなふうなのだ」―11月の振り返りと12月の単元

聞き出さないとわからない 11月は,自分が担当する総合的な学習の時間の山場を迎える月だった。 自分の無責任な立ち回りのせいで,学習者におもしろくない時間を過ごさせる経験をした。申し訳ないが,今年度の大きい学びだった。 教科の授業のように,自分が…

黒板の前に教師の机がある。

間を挟む壁はどこにあるのだろう。 その壁を越えて,歩むことができなければ,対話も始まらない。

そして,11月だ―10月の振り返り

10月は校内の研究授業があり,久々に感じた興奮をどう解釈するのか考える1か月だった。また半年ぶりに定点観測の教室を訪問し,変わってしまった自分の感覚に気づかされたりもした。断片的にしか書くエネルギーがないので箇条書きで残しておく。 ・竹田青嗣…

そういう学びじゃないんだよなぁ。

単元を終える度に「もうちょっとどうにかできなかったのかな」と思う。 単元を考えている間は,この学習がどのように進むのかワクワクして考えることができる。 いざ授業が始まってみると,自分の独りよがりな考えに気づかされたり, 学習者の困難に直面した…

お友達とつながりたい願望。

校内研修で授業研究をした。 久しぶりの公開授業で,指導案作成にだいぶ手こずっていたが, 何のためにこの単元が必要なのかを考えて作れたことは嬉しいことだった。 相変わらず自分の思いが先行している点は自覚しなければならないけれど, その先へは,ま…

「読みたい」を引き出す書評を書こう。

明日から始まる単元を前に,国語科通信を書いた。 *** 読書は新しい世界をひらく扉だ。 本は私たちを一歩先へといざなってくれる。 今のあなたの読書をもっと充実させたいとき,”書評”がきっと役に立つはずだ。 書評にはあなたがまだ読んだことのない作品…

ちょっとチャレンジしてみようかな。ー9月の振り返り

9月もあっという間に過ぎ去った。 定期テストや学力テスト(業者テスト)の採点・評価業務,文化祭準備による多忙感の中毎日を過ごす。 加えて,来月の校内研修研究授業に向けた授業づくりを考える時間も多くあった。 今は「書評」と取っ組み合っている。市…

夏の終わりにー8月の振り返り

お盆が明けると北海道ではあっという間に学校が始まる。夏休みは短い。夏休み中に学習記録を読み直して,一人一人の学習状況を把握したいと願ったが,思うような時間は取れなかった。これが現実。 夏休みが明けるとすぐにテスト前,授業はテストを意識した進…

知識との闘い。

田村学さんは「深い学び」について次のように述べる。 「深い学び」とは,「知識・技能」が関連付いて構造化されたり身体化されたりして高度化し,駆動する状態に向かうこと(p.64) 深い学び 作者: 田村学 出版社/メーカー: 東洋館出版社 発売日: 2018/04/2…

その瞬間その場の判断がその時の申し分ない答えなのだ。

肌寒いくらいの北海道の夜に1冊の本を読む。 つみびと (単行本) 作者: 山田詠美 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2019/05/21 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 丁寧に丁寧に,当事者の物語を紡ぐことを考える。そんなモード。 * * * …

10月14日(体育の日)にファシグラセミナーを開催します。

現場に復帰してはっきりとしてきた問いは, 教師が実践とどう向き合うのかということです。 さまざまな方法がある中で何をどのように選択するのか。 学習者とどのように価値の共有をするのか。 自分が所属する学校の中でどのように運営していくのか。 実践す…

獲得型教育研究会夏のセミナー2019

昨年に引き続き,獲得研の夏のセミナーに参加しました。 keynote.hatenablog.jp 3回目?4回目? だんだんと過去の記憶があいまいになってきました。笑 学習者の「もっと書いていいですか」 オープニングは定番「あっちこっち」,渡辺淳先生の基調提案,そし…

自分の経験だけで語れない。

初任者研修でお話を聞いて、助言、という仕事をしてきた。10人ほどのグループの中で話したことは5つ。 1.やれることとやれないことがある。 2.職員室の真ん中で困っていると叫ぶ。 3.足を引っ張り合わない。 4.サブカルを学ぶ。 5.登山ルートが違う。それぞ…

授業感想文から再出発―7月の振り返り

テスト後は,3カ月の授業の振り返るための学習記録づくりと,説明文「月の起源を探る」を使った説明文を書く単元だった。 学習記録づくり 本来であれば学習記録の完成モデルを示したり,目次をつくったりする時間を設定するのだけれど,今回は目次も作成せず…

藤倉稔さんとお話をする。

1学期の実践の振り返りや授業づくりネットワーク下川集会の振り返りも兼ねて、藤倉さんとお話をする。 www.kokuchpro.com 話していくうちに,話題は私が大学院で何を学んだのか,誰と会ってどんな話をしたかと広がっていく。 もっとさかのぼってこの10年間で…

雨竜沼湿原に行く。

研修ばかりが続くなかで,夏休みらしいチャレンジ。登山。 雨竜沼湿原は絶景と評判のスポット。 水でぬかるみの多い路。登り1時間40分。何度も滑りそうになる。座って休むとしんどくなりそうで、ゆっくり歩き続ける。 急斜面を越え、川の音と共に路もなだら…

歴史がおもしろいという感覚は,10代では実感できなかった。

夏休み研修4日目。市内サマーセミナー。内容はフィールドワーク。 一人では行けないような場所をめぐる。開拓の歴史とか,意外と知らないのだよな。 歴史を知ることで今のいろいろな生活が説き明かされる。 今の生活につながっているのだと思うと,歴史を知…

「なくなればいいんだ」と放り投げてしまわないように

中堅教諭研修3日目。研修テーマは,生徒指導,危機管理,部活動。 部活動は今年度初の試みだそうで,少々放談気味になる。 3日間通して議論し続けると,たくさんの教育をめぐる課題や行き詰まりに焦点をあててしまいそうになる。 もう壊す「しか」ないのでは…

どうして学ぶ必要があるのか、ストーリーがある。

中堅教諭等研修2日目。前半が学校組織運営の話,後半が授業改善(各教科,道徳)の話。どちらも講義,協議,まとめ,現場に戻ってからの実践を決めるところまで。 2日目は協議の合間に「学びたい」という言葉をいくつかキャッチして,学ぶ場のあり方を考える…

時間や出来事を共有する。

中堅教諭等研修1日目。プログラムは,北海道の教育の現状(学力,体力,コミュニティースクール,小中一貫教育),学校組織マネジメント(SWOT分析,校内研修)。 学び手への信頼 学び方は,4人グループによる実態交流形式で,全体共有もほぼなし。教員が集…

書くことのプロセスで生まれること。

夏休み前、テスト前。 先のことを考えると優先順位が変わって、時間に余裕がなくなっていく。計画の足りなさが露呈する。 時間がないから、ついつい締め切りや完成に目が向く。終わらせる学習になる。 はっと現状に気づかせてくれるのは、学習者の記録。書い…

自分の目と向き合う時間を持てているか

近くの大学図書館で1冊だけ本を読む。 インクルーシブな国語科授業づくり ―発達障害のある子どもたちとつくるアクティブ・ラーニング― 作者: 原田大介 出版社/メーカー: 明治図書出版 発売日: 2017/01/20 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 「読…

6月に読んだ本

道徳の授業でいじめがテーマだった6月。いじめに関する作品をいくつか読む。 ナイフ (新潮文庫) 作者: 重松清 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2000/06/28 メディア: 文庫 購入: 5人 クリック: 162回 この商品を含むブログ (159件) を見る 2000年なんだな。…

隣に立って見つめる。―6月の振り返り

評価の現実と向き合い続ける6月。 評価・・・というか,評定。「絶対評価」の意味を考える。テストの公平性も考える。 20数時間の授業の中で,生徒の姿をどれだけ描き出せるというのだろう,と思う。 評価は大きく3つの役割がある。 一つは学習者自身が自分…

鈍感になっていく。

運動会,中体連…と目まぐるしく初夏は過ぎて行った。 年に数回訪れる,繁忙期である。 気づくと定期テスト作成,採点,成績づけ。締め切り仕事は悠長に構えると痛い目に合うので気が抜けない。加えて,こうした仕事は細かなミスが許されないものが多い。チェ…

志村ふくみ展

教育出版の教材に、大岡信「言葉の力」という教材がある。印象的な、桜で糸を染めたときに染め上がる色の話がある。 志村ふくみ展は、そんな色の興味だけで見られるものではなかった。色に対する哲学、孤独の中で色と織物で表現する極限を目の当たりにする。

「文学がまたとない教材になり得る」―5月の振り返り

5月連休明けの学校は,運動会に向けた学級・学年としての取り組みがメインとなる。朝練,外での学年練習,総練習と,非日常の1週間が続いた。 そんな中で,国語科授業は粛々とルーティーンの漢字テストが始まる。定期テストに向けてテスト範囲も意識するよう…

石川晋in 札幌カフェ2019年度連続10回講座 その1「腕を上げたい学級通信」

石川晋さん含め,参加者10名。これならなんとか顔を見ながら安心して話が聴けるんだな。学級通信にしても,合唱指導にしても,「だれに届けるか」を大切にする石川晋さんらしい会だった。 新版 学級通信を出しつづけるための10のコツと50のネタ 作者: 石川晋…

詩と出会う体験

振り返りとは,自分の行為を問いを持って考えることなんだなと思う。 学習者を見ているとただ「単元をふりかえろう」と言っても表層的な実感しか言語化されないのだけれど,一つ問いを投げかけるだけでまったく違った質の振り返りが展開される。 詩ってなん…

学習記録から授業を作る

学習者の記録には、良いところも課題もあって、どちらも次の授業や次の単元でどうフィードバックできるかを考えさせる。 基本的に文章で記録を書き続けるので、書く力の課題にも向き合う機会になる。 時間はかかるけれど、毎時間の記録を学習者ごとに読むこ…