放課後の渡り廊下

教育に関してあれこれ迷い悩みながら書いています。

道徳の授業を考えると社会的背景に目を向けることになる。

第20回日本教育方法学会の研究集会は「道徳」がテーマであった。

武庫川女子大の松下良平先生の理論的枠組みの説明と、

浦安の小学校で勤務されている塩崎義明先生の実践紹介だった。

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原理については、社会的背景の諸問題を丁寧に読み解いていく必要があると思った。

ただし、一つ一つを考えていくほど教師の力量は高くないので、

さまざまな人がさまざまに授業実践を積み重ねていくことに価値があるのかな、とも思う。

また、一方でより包括的に社会を捉える授業のあり方が必要とされている、とも考えた。

一つの授業でさまざまな角度から「考え、議論できる」テーマ設定があると、

格差、貧困、グローバル化、他国との関係、政治への無関心、電力の問題、LGBT等々…

日常では考えることもないような現実の問題に

子どもたちの目を向ける道徳授業になるのかも、と思う。

 

実践紹介は、日常生活のアンテナの高さを感じるものだった。

教師の「あれ?そうだっけ?」から始まる授業は、

子どもたちにも本気の疑問を投げかけることができる。

 

どうしたら、そのような疑問を持てるのだろうか。

やはり、その教師の既知の事柄からなのだろうか。

同じ疑問を同じように感じる教師はいない、ということか。

 

具体はそう簡単に結びついてはこないけれど、

できない理由ばかりを探してもしかたないので、

「この機会だから新たにできることはないのか模索しよう」

そんな会だったと自分では思う。

 

そういう意味で、道徳の授業を考えていくときに

複数の人が関わって授業実践を提案し合う研究会が生まれやすいのは

よくわかる気がした。