自分にとって過ぎ去ってしまった経験が、毎日顔を合わせる院生にとっては切実な日常だったりします。
5月、6月、と夏が近づいてくるにつれ、修士2年生は修士論文の本番に足を踏み入れるような発表の場があり、それと同時に就職のことも考えねばならず、行動を起こさなければならない現実があります。最近は教採対策の会話がよく聞かれるようになりました。
「こうなりたい」という信念を強く持とうと言うのは簡単ですが、なかなか今ある自分の日常から想像するには学校現場の実際が遠く、ビジョンを持つことに苦労しているなぁと感じます。そして私自身もそうだったんだなぁと、今なら思えます。
何人かの学生から教育実習の話を聞いていると、「ギャップ」ということも考えざるを得ないようなエピソードも多々あります。何に一番困るのかは人それぞれなので一斉指導は難しいなとつくづく思うのですが、それでももう一つ小さなステップがあるかどうかでだいぶ違うのではないかと思うこともあります。
ああ、これって大学生でも中学生でも一緒だと気づくのですが、決して能力がないとか、最初からできないと決めつけているわけではなく、周りの設定に無理があるなと感じます。
実習も教採も過ぎ去ってしまうと多くは1回だけのイベントですけれど、当事者にとっては結構負荷の大きいイベントなんですよね。目の前にあることは大きく変えられないことが多いですけれど、自分にとって必要な成長のプロセスになるにはどうあったらいいのかということをちょっとだけ考えてしまいます。