放課後の渡り廊下

教育に関してあれこれ迷い悩みながら書いています。

「右に同じです。」

学習記録において、私と生徒の間で見られたずれの例を1つ挙げましょう。

 

私の指導していた学習記録では、毎時間の授業記録として、縦罫ノートの上段右に①学習内容、下段に②学習メモ、上段左に③振り返りを書く形式でノートを書くようにしていました。③振り返りには「事実」「学んだこと」「感じたこと」を書くことにしていました。

逆T字型といえばイメージしやすいでしょうか。

 

授業記録の方法に慣れた始めた2学期に、振り返り欄に「右に同じです。」という記述が見られました。右というのは、①学習内容のことです。これは一度ではなく複数回に渡って記述が見られます。

 

この記述から、授業の始めに提示した授業内容と実際の授業内容が一致していた、と生徒が認識していると言うことができると思います。

 

一方で、本当にそうだったのだろうか、と疑問に思います。

それで気がつくのは「学習内容」=「事実」とその生徒は解釈していたということです。

それに対して私は学習の流れとして学習内容を箇条書きで挙げましたが、実際に誰とどんなやり取りがあり、どのようなことが起こったのか、授業の具体的な出来事を「事実」としてとらえていました。

そして、その具体的な出来事をとらえて言語化することを「事実」としていました。

「事実」を記述することに、私と生徒の間で認識のずれがあったと言えます。

 

このずれは、毎時間の授業記録でどこまで詳細に出来事を記述すべきなのか、記述することにどのような価値があるのか、そもそもこの記述は必要なのか、という問いを投げかけてきます。

 

私の答えは、起こったことを認識することから考察は始まる、です。

だから、「事実」を記述する力はあった方がいいと思っています。

 

「ずれ」から新たな価値を考える。

 この本は良かったです。

ずれによる創造―人間のための教育 (1973年)

ずれによる創造―人間のための教育 (1973年)

 

 学習記録を研究するにあたって、ぼんやりとした見方しか思いついていなかったけど、

この本を読んで、とりあえず、「ずれ」を探してみたいなと思いました。

 

授業の中で私の意図したことから逸脱した学習者を探してみる。

その学習者との間で見い出された価値を言語化できたらおもしろいな。

夏休みが見えてくる。

この時期は学校祭の細案審議とともに、夏休み中の計画があった。

それから、ここまでの人間関係を見直す時期にもなる。話し合って違和感を埋める作業も必要になる。

 

いろいろなことが織り混ざった時期に、夏休みにしたいことをあれこれ考えるのだけれど、やっぱり夏休みは短いな、と思うくらいにやりたいことの半分もできないのが実情だったりして。

 

最近はやっと、「半分もできれば上々じゃないか」と思うようになる。

「乗り越えたね。」

チャットモンチ―と機械仕掛けの秘密基地ツアー2017に参加する。

 

2015年にZepp札幌で対バンツアーに参加して以来だ。

EX THEATER ROPPONGIはもちろん初めて。

日中は日差しも出て例外なく暑い一日だったけど、最後まで楽しめた。

 

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今回は橋本えっちゃんの体調不良で北海道のツアーと

予定ではファイナルだったはずの東京2日目(6月20日)が延期になった。

延期になった北海道がファイナルになるかと思いきや、

東京が7月9日に延期になることが後日判明し、

長い長いツアーとなった。

実質、昨日がファイナルだったということもあり、

2人からは「乗り越えたね」という言葉があった。

その言葉にいろいろあったことを想うとちょっと感慨深くなる。

演奏自体は相変わらず新しいことに挑戦するスタイルが素敵であり、

自然に音楽を楽しんでいて、見ていてしあわせな感じになる。

ああいうあり方が素敵だと思う。

夢のような1日だったよ。

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帰り道に見た月がきれいだった。

「この歌を止めるな」

アンコールの『満月に吠えろ』を思い出しながら帰った。

満月に吠えろ

満月に吠えろ

 

 

学習記録実践の言語化

 うまくいったこと、うまくいかなかったこと、それぞれを書き出してみる。

自分の意図していたこと、意図していなかったこと、それぞれを書き出してみる。

フレームに収まっていたこと、収まりきらなかったこと、それぞれを書き出してみる。

 

どのようなことが意図を越えてよかったことなのか、

どのようなことが次の明日に活かせることなのか、

そういうことをぐるぐると考え、書き、読み、まとめる。

 

とにかく、一人一人の書いたものを読み直しながら

新しい発見をたくさん探している。

 

断片的なメモを集める。

今日は朝から学習記録に関する資料の整理と、

これまでにまとめた断片的なメモを整理する。

 

何月何日にどういう学習をして、

どういうことに困って、

どういう対応をしたのか、

たくさんのメモがある。

生徒の反応もある。

 

研究したいことがたくさんある。

視覚情報を重視した読みの授業づくり。

協同で授業案づくりをしています。

 

その中で、岸田衿子さんの『ソナチネの木』を教材化する授業が注目です。

テキストだけではなく、文字と絵が融合して視覚的な読みを促すしくみになっているところがおもしろいです。 

ソナチネの木

ソナチネの木

 

 国語の授業に親しんでいる方は、「純銀もざいく」なんかがイメージしやすいでしょうか。「いちめんのなのはな」が菜の花畑を表すかのように繰り返し用いられています。

 

他にどんなものがあるのか気になって、昨夜大雨警報の中、

図書館情報大学の附属図書館に行って絵本探しをしてきました。

ここは中央図書館に比べて児童図書が充実しています。

 

たなばた (こどものとも傑作集)

たなばた (こどものとも傑作集)

 

 この本はところどころにテキストがL字型に配列されています。

絵との関連性が気になる絵本です。

 

あいうえおのき―ちからをあわせたもじたちのはなし

あいうえおのき―ちからをあわせたもじたちのはなし

 

 「スイミー」でおなじみのレオ・レオニです。

もじたちが葉っぱの上でくらしているという設定です。

絵の中にもじやことばがあって、本文との関連がおもしろい1冊です。

 

その他にも、文字が入っていない、絵や写真だけの絵本も数冊借りてきて、

それぞれの絵本でどんな授業ができるか作ってみる、というようなことをやっています。

 

この授業の裏側では「見る力をつける」がテーマになっています。

読むことの中で比喩的に「見る」を使ってきていますが、

さて、どんな授業ができるのか楽しみです。