放課後の渡り廊下

教育に関してあれこれ迷い悩みながら書いています。

「おもしろい場面が全然わからない」から、授業を修正する。

中学3年生「故郷」の授業で、「作品の魅力を語ろう」という課題を設定した。

この課題の前提条件として必要なのは、「故郷」に魅力を感じられるかだ。授業前にも想定していたのだが、やはり学習記録には「おもしろい場面が全然わからない」という記述がある。この課題の難点は、わからなければ始まらないということ…苦笑。そこで、私はプリントを作成する判断をした。

 

まず、メモを取りながら全文を読んだ後、全員のノートを回収する。一人一人のメモの状況を見ながら、教科書本文をコピーしたプリントに書き込んでいく。本文に線を引き、その部分についてどのような見方があったのか書き込む。全員分書き込んだら、クラス全員の視点が入った初読の分析一覧が完成する。このプリントを配り、級友分の着想を得ることで書くことを促していった。

 

誰に向けて作成するかがはっきりしていると、教材の輪郭がくっきりとしてくる。きっかけは一人の生徒だったにしても、同じ感覚を持っていたり、新たな発見をしたり、周りの生徒にとっても意味のある教材づくりになる。

 

このように、生徒自身の授業過程の困難さを知ることがそのフォローづくりにつながっていく。私にとって、学習記録は学習者とのチャンネルとしての意味が強い。