源氏物語の一場面について調査を進めていたところ、先行研究がぞろぞろと出始める。
自分が何時間もかけて一例ずつ読みまとめたことも、すでに何年も前に調査が終わっていることだった。
ただ、ほんの少し文脈や解釈の異なる部分があり、それを言語化していくことがこれからの作業になる。
うん、研究ってこうした地道な営みの先にあるのだよな、と思う。
いや、論文検索はじめ、ほしい情報にたどり着く時間は圧倒的に早くなっている。
そして、今自分がしている作業も30年もすればまた変わっているのだろうと思う。
ただ、自分で考え、自分のことばで語れる力は変わらずに必要だとも思う。
50年以上前の研究論文を読みながら、何が変わって、何が変わっていないのかを考えている。