放課後の渡り廊下

教育に関してあれこれ迷い悩みながら書いています。

振り返り機能のある単元を持っているかー1・2月の振り返り

三年間の学び発表会

 三年生の冬休み明けは受験シーズンとも重なり,充分な単元は実施が難しい。今年は,さらにコロナ不安で欠席の生徒も多く,少人数での授業が多くなった。

 そんな中で,自由進度学習はうまく機能しやすいと気づく。「三年間の学び発表会」と題して,これまでの学習記録を紐解きながら,印象に残っている授業や成長したことを聞き合う。発表の仕方は生徒にお任せである。

 発表者も,発表の質も,聞き手の人数も,その日その日で異なっていた。それでも,毎日その時々で,いろいろな学びが起こる。どのクラスも違った内容,違った展開になってしまうけれど,確実に「私たちの学び」になっていくのだ。

生徒と教師の振り返り機能

 この単元の最も面白いところは,生徒の学習の振り返りが言語化されて見えてくることだ。印象に残った授業として教材名を挙げながら,なぜその授業が印象に残っているのか語られる。もちろん,教材の力に頼ることも多く,登場人物やセリフを挙げる生徒も多い。それと同時に,学び方にも焦点を当てて発表する生徒がいる。

 例えば,「モアイは語る」の授業でホットシーティングに初めて挑戦して,何かになりきって答えた時の体験を語る。「足があったら何をしたいですか」という奇想天外な質問に苦笑いし,その次の瞬間「Y字バランスです」と答えた級友のセンスにさらに驚いたこと…(笑)。「なりきって答えるって,こんなに面白い学びなんだと思いました」と発表する生徒の言葉に嘘偽りはない。

 私には到底捉えようがない瞬間が学習者には刻まれている。それらを少しだけ共有して,確かに,あんなこともあったし,こんなことが私たちはできるようになった,と振り返る。

 生徒の発表を聞きながら,私も一緒に振り返っている。そういえば自分事にする学習活動が多かったな,とか,このクラスではテストの点数にこだわっている人が多いな,とか自然と湧き上がってくる。発表を録音して文字起こししたり,発表内容をレコーディングしたりして,さらに振り返られるよう記録を残す。

 こうした作業をしながら,教師もまた,振り返りをして来年度の授業作りにつながっていくのである。

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