放課後の渡り廊下

教育に関してあれこれ迷い悩みながら書いています。

学びの場と記録

中学校では、紙に学習記録を残してきた。このことを可能とするのは、学びの場の大半が学校を定点として行われてきたからだと思っている。学校には自分の机と椅子が置かれ、1日を過ごす当面の場所がある。さまざまなツールは学校にある。家から毎日何を持ってくるか、どのように記録を残していくかなど、さまざまなルールもある。

学校から離れてみると、学びの場は多様である。街中いろいろなところで読み書きができる。私はカフェが好きで、いくつかのカフェと図書館を移動しながら作業をすることがある。そこには私以外にもパソコンに向かう人、テキストを読み込む人がいる。何か新しいことを学ぶときは、自分から外に出ていくことだってできる。

ただ、移動して学ぶ時、どうしても同じツールが手元にないことに気づく。一定の記録を残すためには、いつも携帯していることが必要だ。私は紙ではなく便利なタブレットを使うことも多い。大学院授業の記録は、プリントやメモも含めてファイリングし、自分の研究室で保管している。自宅にも大量の記録があるけれど、ここは正直生活と一緒になってしまうこともあり、こまめな保管には向かないと感じる。

 

そんなことを考えていると、紙を冊子にした学習記録は、学校という環境の中で機能することに気づく。どこか学びの定点があるというのは記録を蓄積しやすい環境なのだなと思う。また、学ぶ場がどのくらい流動的なのかによって、記録のあり方は変化していくのだな、と思う。

記述の読解

共同研究のワークシートやアンケートの分析を繰り返す中で、記述の読解が回を経て変化していくことに気づく。今朝はふとした瞬間に見落としていた視点を思い出して、それがデータの見方に変化を与えていることに気づく。その上で、学習記録の生徒の記述を読むと、過去に抽出したカテゴリーとは違った枠組みが出てくる。

学習記録の面白いところは、自分の学びの内容だけではなくて、教室全体の記述や、教師の授業構成にも入り込んだ記述が出てくることだ。時を経れば経るほど、授業を見る目がついてくる生徒もいて、生徒は1番の批評家だな、と思う。

そんなことに気付くか気付かないかも、時間と経験が織りなす目があるからなのだ。

「作ること」と学びのプロセス

秋学期の試験期間ということで、図書館は課題に取り組む学生が多く見られる。私も課題の締切が大詰めで、今日は個室にこもってレポートを作る。 

 

読む技術に関する課題では、本の体裁から情報を読む話題が出てきた。1月のレポートで「学習記録と本の体裁」について考えており、学習記録は本を作る過程を経験する学習なのだ、と今の私は認識している。「本を作る」ことで本の情報がどのように構成されているかを学習し、本を読む観点が増えると考えている。

そのことから、改めて「作る」という活動と学びのプロセスについて自分の書いてきたことを読み返す。

keynote.hatenablog.jp

 その派生でパパートの『マインドストーム』を読む。

「学習は発生的に理解されなければならない。」

マインドストーム―子供、コンピューター、そして強力なアイデア

マインドストーム―子供、コンピューター、そして強力なアイデア

 

 自分がどういう考え方に今いるのかを、レポート課題に取り組みながら見つめている。

情に流される

今日は2年生の歓送会だった。私は企画者に導かれるままに自分の仕事を淡々と。企画者の活躍がすばらしく、一緒に仕事をしていて単純に楽しかった。他の人から見ればこの程度を「情」と呼ぶにふさわしくないのかもしれないが、学生として短いながらも同じ時間と空間を共有すると感じるものがある。教員には見えない空気というのが学生同士にはある、ということを実感した日。

2015年度の記録

2015年度に自分が書いた記録を読み返した。記録に対する認識の変化が大きく表れた1年だった。私はずいぶんといい授業がしたい、と思っていたようで、一番学習記録実践として充実していたように思う。学習記録に関する認識の言語化が多くなり、「自分が自分の先生になる」とか、学習記録を何のために作るのかをずっと考えていた記述が目立つ。実践に関する他者との対話も自分を変えるきっかけだったと思う。学習記録実践を通して、自分自身の実践のあり方が一つ定まっていく。そんなプロセスが見えてきた。

月食の茶事

今日は学部生時代から茶道をしている友人のお誘いを受けて茶事に参加する。

月の光は本来忌むべきものらしく、月夜に茶事は開かないようですが、今日は茶室を出た後に見えた始まりかけの月食が印象的だった。

 

家に帰ってから月食の記事を読む。

【中世日本の月食観】月食が怖かった!?

https://weathernews.jp/s/topics/201801/260095/

 

ろうそくの火や炭火、月の光が暗い夜を照らす数少ない灯りだったのだな、と思う。