今日の谷川俊太郎研究の1冊。
公開インタビューの形式で,ロバート・キャンベル氏との対談内容が記されている。特に,今日読んでいて気になったのは,作者が読者をどのように意識しているのかだ。
読者というものを若い頃から意識していました。(p.8)
読者と言うものを僕はわりと早くから意識はしたんだけど,それは漠然とした読者というよりも,具体的なある一人の人が自分の詩をどう受け取ってくれるのかということが中心で発想していたんじゃないかと思うんですね。(p.18-19)
表現をするときの問題意識として立ち現れる読者の存在。この問題に対して大きなことは言えないのだけれど,中学生の表現活動を身近で見ていると「誰に届けるのか」という問いを持っているのとそうでないのとでは,大きく活動が変わってくることがわかる。何か具体的なスキルを教える以前に,誰かが表現の先に見えるのかどうかを問いとして持ち続けたいと思う。