引き続き,国語科ノート指導に関する書籍を読み続けている。
ここにきて,2000年代のノート指導本に入ってきた。
この一連の調査の目的は,ノート指導の歴史的文脈を探すことにあるのだけれど,手にする本が実践提案の本が多いこともあって,私の求めている研究書ではないのは残念である。それゆえに,それぞれの実践の系譜を整理することは自分の仕事なのかもしれないと腹を括ってきた。
今回は,須田実氏の編著ということで「国語力の向上」に関するノート指導について書かれている。
(略)自ら学ぶための「ノート指導」を重視し,子どもが学習目標としての単元(題材)を読んで,「知りたい」「分かりたい」「伝えたい」などの思いや考えをノートに書き,そして書いたことについてさらに深めたり,広げたり,調べたり,表現したりする学習により,子どもの国語力の向上を図ることを意図するものである。(p.3 まえがきより)
また,シリーズ本として低学年・中学年・高学年と分かれているように,系統性の重視が明確に打ち出されているのもこの本の特徴である。
その具体的方針は細分化されており,「ノート指導の基本的な事項としての十観点」(p.20)をまとめ上げ,かなり具体的である。
この辺りの体系化は『第3の書く』とも重なる内容もあり,ここでは詳しく触れないが,共通点と相違点を照らし合わせてみるとかなり面白い。
また,大村はまの学習記録の指導過程と照らし合わせてみても違いが出てくるだろう。
次の研究課題としたい。