放課後の渡り廊下

教育に関してあれこれ迷い悩みながら書いています。

学習活動を積み重ねること

「カリキュラムマネジメント」という言葉がありますが,私が一番大切にしたいと思うことは,

  ・学習履歴を有効に積み重ねているか,

  ・生徒自身が成長を実感できているか,です。

 今でもまだ,1単位時間の授業を構想することで精一杯の時がありますが,学習者がこれまでにどんな学習をしてどんな力をつけているのか,学年を縦に見て単元を考えていると、「あの活動を発展させよう」とか「あの学習はあまりうまくいかなかった人が多かったから,もう一度やってみよう」といった発想が生まれてきます。セカンドチャンスを作ることで,前回の課題を活かして再チャレンジする機会を作ります。

 

 今年度5月の授業では,小説『握手』の行動描写や会話文から人物像をまとめるという学習活動をしました。まとめ方は,それぞれの生徒が今まで活用してきた思考ツールやまとめ方の中から,自分に合った方法を選択する形で進めました。

 昨年度を振り返ると,『アイスプラネット』では,行動描写一つを選んで,そこからわかる人物像を書く活動をしました。その時は,描写とは何か,そこからわかることをグループで話し合いながらまとめる展開で進めました。また,後期の『走れメロス』では,登場人物をグループで分担してまとめ,話し合いながらその関係性をまとめる活動をしました。こうした過去の授業を想起することで,生徒は学習の見通しを持てるようになります。

 

「先生,前回は先生に教えてもらえないとできなかったけど,今回は自力で課題できました!」

『握手』の授業が終わった後,生徒からこんな声が聞こえました。

 学習記録をつけていると,前回どのように活動に取り組んだかが想起されやすいのかもしれません。そして,同じような学習活動を繰り返すことで,前回の自分との比較が起こり,成長を感じる瞬間を作れるのではないか、と思っています。

 5月の授業はそんな実感を持てる単元でした。持ち上がりで授業ができると,こんないいことがありますね。

 

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北海道も少しずつ暑くなってきました。