生徒は,授業中の発言に関して,空気を読んでいる。
小学生の頃,私は自分から発言することを躊躇っていた。
なぜかと言えば,私が発言することで,他の誰からの発言の機会を奪ってしまうからだ。
まして,挙手をしても最初に指名されることはない。
その経験を繰り返しているうちに,私は挙手をしなくなった。
中学生3年生の三者懇談で,担任の先生が,もっと積極的に発言した方がいいと言った。本当は考えを持っているのに,発言しない姿勢はどこか反発的な生徒に見えたのかもしれない。
発問に対する考えがないわけではなかったし,先生の言う通りに積極的に参加することはできる。
しかし,私が発言することで討論が活発化するよりは,私の意見にみんなが乗っかって,あたかもそれがクラスの総意になってしまうことが嫌だった。
大学院で「フリーライダー」という言葉を知ったけれど,授業中の生徒の考えの表出は,順番や内容によって教師の進行の工夫が必要となる。
ちょんせいこさんが校内研修にいらっしゃってくださった時,ホワイトボードで考えを書いて一斉にオープンした。
こうした工夫が学習者の考え表出のために必要なことかもしれない。