放課後の渡り廊下

教育に関してあれこれ迷い悩みながら書いています。

『学級経営の教科書』を読み始める

学び直しを恐れずに進む

 職場環境が変わって半年,考えさせられることが多くなった。今まで当たり前だと思ってきた慣行がそうではなかったり,見通しもなく急に提案される初見の学校行事だったり,即時その場で対応して何とか乗り切っている(失敗している)感じだ。力のあるソロプレイヤーが多い職場では,個人の先生が自律して立ち回れることが期待されている。

 しかし,実際には,私は今の学校においては経験のない初任者教諭である。どうしても自分の力では埋められないものがある。借りた力は,どこかで必ずお返しをしようの精神で,チームの力で問題解決のプロセスを歩んでいると言える。本当,借りた力は,どこかで必ずお返しをしよう。そして,ちゃんと失敗から学ぼう。

いわゆる私は「狭義の学級経営」論者で「やさしい先生」だった

 そんな状況の中にいると,学ぶことは切実さを増す。困っている時ほど,何か現状を打破する方法はないものかと考える。「教育とは何か」とこの半年で何度思ったことだろう。

 一昨日Amazonのおすすめから届いた白松賢『学級経営の教科書』の第一章,第二章を読んで,考えさせられることが多い。「先生,もっと怒ってください」と言われる私は,この本で言う「やさしい先生」で,秩序化の計画的実践に大きく成功しているとは言えないのだ(=生徒にとっては頼りない先生なのだ)と思う。

 にも関わらず,もう一つ致命的なのは,私が志向する学級経営観が「狭義の学級経営」であることだ。要するに,教科指導のために集団を統治することを目指している部分が大きいのである。一方で,よく言えば柔軟に,悪く言えば中途半端に,「自発的」で「自治的」な方法を選択するので,結果として無秩序になる場面が生じてしまうのである。

 なるほどなあ,なんて呑気なことを言ってはいられないのが現場である。PDCAサイクルのDO!DO!DO!に常に立たさせているのだから,難しくても苦しくても行動するしかない(状況によっては行動しないことも選択をしなくてはならない)。

 奇しくも11月。問題がこれまで以上に顕在化する今だからこそ,現状と対峙することが必要となる。