放課後の渡り廊下

教育に関してあれこれ迷い悩みながら書いています。

学習記録研究

変化をとらえることは容易ではない

今の段階での学習記録あとがきの総括を書こうと思っている。 あとがきのてびきには、書く観点の一つとして「自分の変化」がある。単純に自分の文字が変わったと書くこともある。書く文量が変わった、覚えた知識が増えた、読む観点が増えた……どの記述もそこま…

一喜一憂する日々

生徒の記述をたくさん集めることは、たくさんの感情と向き合うことでもある。 今日は、「これを書いてこういうのが好きになりました。たのしかったー」という文章を読んで、単純に嬉しい気持ちになる。 確かに、記述を読むことや情報を整理することに時間が…

「わかった」と「がんばります」

生徒の授業の記録でよく見られる記述が「わかった」と「がんばります」である。 授業で学んだことを書くのだが、結構安易に「わかった」を書くことが多い。授業内容と「わかった」を機械的にくっつけると、その日の授業記録が完成する。書かされる記録である…

記録のまとめはいつするのか

日々の記録を、ある程度の蓄積を持って一度まとめる機会を持つ。そのタイミングはいつがよいのだろうか。 ある程度の厚み(量)が必要だと考える。学校のスケジュールで言えば、前期・後期で分けて年に2回実施するのがいいのだろうか。一定の評価時期である…

学習記録を通して見える力

今年度最後の授業参観。自然と1年間を通じて学習者がどのように成長し、どのような課題があるのかという視点になる。学習記録のことで言えば、記録の質についてどのような違いが生まれているのか考える。 「何を書くか」ということがわかっても、それを表現…

「完遂」

学習記録の題名より。 誰がこの言葉を選択するか、関わっている当事者としては興味深い。しかし、自分でも意図しないような前向きな言葉が具体として教室に表れる、このことが何よりおもしろいと思う瞬間である。

記述の視野の広がり

今日はある生徒の記述から。 一年間の国語の授業を通して、たくさんのことを学び、身につけてきました。授業の内容は、漢字や辞書引きを毎日少しずつやり、教科書をすすめることの繰り返しでした。本を読んでくれることもありました。最初は、漢字、辞書引き…

学びを名付ける

今日は過去3年間の学習記録のデータベースづくりを終える。 表紙の条件設定、題名の考え方、生徒の国語科授業への意識、作業に適応/不適応する生徒の特質 など、改めて記録に目を通しながら気づくことがある。 学習記録の題名には、こちらがはっとさせられ…

授業記録と教師の言動

毎時間の授業記録の実践を読んでいくと、その記録を筆者自身のリフレクションとして重視される場合と、授業者の授業分析の視点に重点がおかれている場合が見られる。どちらの視点もそれぞれに重要だと思うが、教師が生徒の記録を読む行為においては後者が重…

書かれていることをどこまで信用するか

生徒が書いたものを分析する際に、どの程度その言葉は生徒の本心を表しているのか、という問いを必ず受ける。教室で書かれるものは、教師や級友に読まれることを前提として書かれることが多く、その前提を踏まえて読まなければならない。ただ問題としたいの…

他者に開いている記録を

教室で学習記録を作っている時に迷ったことは、個人の学習記録をどこまでオープンにするかということだった。 学校では個人に対する評価が行われる。学習記録には授業で扱ったすべての資料を綴じることにしている。その中にはもちろん、具体的な評価結果が示…

過去の資料整理

資料を整理しながらも、人は学んでいる。忘れていた記憶を取り戻す。どんな瞬間に学ぼうと思うのか、自分に聞いてみる。

授業感想文を読みながら思うこと

授業感想文を読んでいると、 ・教材(コンテンツ)に関する感想を書いている生徒 ・単元から身についた力について書いている生徒 ・自分の取り組み状況について書いている生徒 ・授業構造に対する考えを書いている生徒 など… いつかの内容で分けられる。 た…

学びの場と記録

中学校では、紙に学習記録を残してきた。このことを可能とするのは、学びの場の大半が学校を定点として行われてきたからだと思っている。学校には自分の机と椅子が置かれ、1日を過ごす当面の場所がある。さまざまなツールは学校にある。家から毎日何を持っ…

2015年度の記録

2015年度に自分が書いた記録を読み返した。記録に対する認識の変化が大きく表れた1年だった。私はずいぶんといい授業がしたい、と思っていたようで、一番学習記録実践として充実していたように思う。学習記録に関する認識の言語化が多くなり、「自分が自分…

「今日の学びはなんだろう」と考える

今月は2回、修士論文指導の先生に面談の時間をもらう。機会を作らないと作業を進めることができないので、ぐずぐずな進捗状況でも現状をそのまま持っていく。さすがに今日は作業時間が足りなさすぎて申し訳ない気持ちになるが、ここから2月の見通しが立っ…

過去3年間の自分の記録を読む

「学習記録を見る目」というテーマで、過去3年間に書いたものを並べてみる。読み直して、自分は何に着目していたのか、ということを振り返ってみる。人との出会いや出来事によって実践に対する見方が変わっているポイントをいくつか実感する。記録を残して…

分類する

午前中はワークシートの分析をする。記述の種類ごとに分類作業をした。 「分類する」活動は授業の中で定番の活動と言っていいと思う。実際に活動してみるとわかることだが、分類しきれないものが出てくる。どうしようもなくて見て見ぬ振りをしたり、「その他…

「線を引いているところがちがった」

仕事始めは学習記録の整理から始まった。 B5判の原版は実は読みづらく、破損も多い。それでA4のコピーを取って読み直している。今日の分析は1人。2年生の1年間の記録を読み直した。 同じ1時間でも一人ひとり感じること・表現することは違うのであり、そ…

情報整理の一日

今日は一日家にこもって、資料整理をした。 視覚情報優位なせいなのか、デジタル処理をするよりも、アナログに全体を見渡せる方が情報を整理しやすい。これまでの学びを分類して、重要度別に分けて、ラベリングした。作業しながら、あ、こんなこと学んだな、…

言われて初めて気づく。

書き出しがうまいよね 昨日の5限は修士論文に関する調査の報告でした。 今は学習記録のあとがきの記述分析をしています。 1年間で印象に残った授業について書いた作文から、生徒の志向や教師の授業のあり方を分析しています。 読んでいると「私は国語が嫌…

点数至上主義の学習観〜「あとがき集」分析から

あとがき集とは何か 大村はま学習記録では、学期の終わりに学習記録を編集する(学習したプリント類を綴じる)。この作業の中であとがきを書く。あとがきと命名されるものの、実際の内容は学期の授業のまとめである。学習記録実践をしていなくても、ポートフ…

体験しながら気づく。

昨日は大村はま昭和47年11月、単元「国語学習発表会」についての分析と考察を聞く日でした。 秋学期の木曜2限は大村はまの読書生活に関する交流の場について検討していきます。受講者がいくつかの単元を担当し、それぞれが発表する演習形式です。 「国語…

昭和47年度学習記録調査(1年生)

9時から16時まで学習記録閲覧室で学習記録を読む。 ・授業内容を書く学習記録と、振り返りを書く学習日記に分けられている。(おそらくこのあとフォーマットが変化する)。 ・1年生の初回の学習記録編集はまだ見通しが持てていない生徒が多く、ページが時…

ノートのあり方に変化が起こる。

学習記録を見ていくと、協同的な学びが多くなるにつれて 学習メモの記述が少なくなっていく傾向がわかってきました。 それは、話し合い活動をしていたり、 創作物を作成したりするからかもしれません。 その代わり振り返りの記述は多くなります。 例えば、1…

振り返りの振り返りにこそ価値がある?

学習記録実践の中で、授業の振り返りを全体で共有することがある。 全員のノートを一覧印刷して配る。 そうすると、振り返りの質を相対化することができる。 例えば作文の観点で、自分は字数制限を観点に「200字以内で書けた」と書いたとする。 そして次の時…

自分の書いたものを相対化するためにノートを一覧共有する。

大村はまの単元学習に出会ってから、 ノート指導の在り方について大きく変わった。 そもそも、ノートとは何か。 国語科重要用語事典 作者: ?木まさき,寺井正憲,中村敦雄,山元隆春 出版社/メーカー: 明治図書出版 発売日: 2015/07/30 メディア: 単行本 この商…

8月の課題

1、2014年~2017年の学習記録分析。 2、大村はま1973年~1975年の学習記録分析。 3、授業課題 ・大村はま「読書生活の指導」の一単元のレポート 大村はま国語教室 第7巻 読書生活指導の実際 1 作者: 大村はま 出版社/メーカー: 筑摩書房 …

なぜ学習記録を作るのか。

1 学びが消費されて、そこから何か生産されている実感がないから。 2 学びの蓄積の実感がないから。 3 学びの総合化(体系化?統合?)が弱点だと感じるから。 4 自分で考え言語化する力をつけたいから。 5自分の学びの歴史を見える化したいから。 6紙の重さ…

「右に同じです。」

学習記録において、私と生徒の間で見られたずれの例を1つ挙げましょう。 私の指導していた学習記録では、毎時間の授業記録として、縦罫ノートの上段右に①学習内容、下段に②学習メモ、上段左に③振り返りを書く形式でノートを書くようにしていました。③振り返…